裁かれざる者
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うっかり二日連続更新してしまったわけですが、この解説は昨日の分です。
タイトルの元ネタはクリント・イーストウッドの『許されざる者(原題:Unforgiven)』。いや、まあ、これ以前にもほぼ同名の映画があるらしいけど。例によって観たことは(略)。元タイトルと語呂を合わせるなら『裁かれざる者』の方が良かったとは思うんですが、異質感を出したかったので敢えて『許される者』とした。
だいぶ前に刑事のいとこに「自殺は罪にならない」っていう話を聞いて、これは何かのネタになるぞ、とずっと覚えていたものを今回利用した。一見他殺なのに裁けない、というからくりのためにクローンを持ち込んで。現実でもなんだかんだ法律が実情に追いついてない部分があるので、将来的にこういったことが起こらないとも限らない。 反省しなければいけない点として、「実はクローンを殺していたから自殺扱いで無罪」と、要素を抽出すると単純なんだけど、本編はやや複雑になってしまっている。クローンがオチの肝になるため、途中まで伏せる必要があった。が、なんの伏線もなく唐突にクローンが出てきても、それは単なる不意打ちであって、「あっ」と驚く仕掛けにはならない。 そう思って、クローン技術があってもおかしくない近未来設定の演出として電子ペーパーを登場させ、併せてクローンの伏線として薬品会社の再生医療株が上がった、などの情報を付け足した。 これで万事解決したと思ったんだけど、読み手の理解を阻害するややこしい設定になったのではないかと心配。もう少しスッキリと仕上げる必要がある。 |