作家生活オンライン > yokosaのブログ > お菓子くれなきゃバツ!
お菓子くれなきゃバツ!
『ネバーエンディングストーリー3』でロックバイタージュニア(本の世界の住人。岩を食べる岩のモンスターの息子)が言ってた台詞。
 もうハロウィンを話題にするのも時季外れだが、お察しの通り「Trick or Treat」を意味するもの。映画は94年に日本で公開されたんで、当時はまだ「お菓子くれなきゃ悪戯するぞ」というお決まりの文句が定まってなかったことが窺える。「×(バツ)」なのか「罰(バツ)」なのかはわからない。
 子ども心に『1』と『2』は楽しかった。『2』で清楚清廉な「幼心の君」が我を失ってエキセントリックになるのはギャップが面白かった。『3』はちょっとな。
 しかし、思い返せばミヒャエル・エンデが怒るのも無理ないな。映画だけで観ても2と3でキャラクターが別人すぎるし、整合性の問題がある。アトレイユどこ行った。

 だいぶ間が開いてしまったけど投稿作品の話。
 ……特に言うことはないな。「#同じプロットで小説」企画に当日突貫工事で書いたものだし。企画自体は当初から知ってたけど、締め切り三日前ぐらいに初めてプロットに目を通してみて、しっくり来なかったから本当はスルーするつもりだった。
 じゃあなんで書いたのかっていうと、発作みたいなもんですな。
 大筋はプロット通り。細かい点、というか次の二点だけプロットを半分無視した。「人の声には色がある」というのと「次の年のハロウィンに再会する」の部分。
 出来れば指定の台詞はそのまま使いたかったが、「(なぜお菓子くれる人がわかるのかという問いに対して)自分は今日の主役であり、人の声には色があるからだ」というのが答えになってなくて、前後も繋がらないし具体的に説明も出来なかったので誤魔化した。
 先述したが、発作的に書き始めたため、締め切り時間がかなりギリギリだった。すでに登場人物を十代以下のように描写していたが、話の方向がどうもアダルティになる感じだったので、翌年再会となると非常によろしくない。ギリギリなので修正も難しい――ということで、翌年の部分をいじった。
 アダルティの方向性を決めたのは「主人公の片方の耳に噛みつく」の部分。執筆と平行して色々調べてみたところ、キスをする場所に意味があるというのが出てきた。耳へのそれは「誘惑」。「耳への噛みつき」を前振りとして、「耳へのキス」を落としどころにするという風に定めた。

 プロットというのはあくまで執筆する上での手がかりに過ぎず、その通りにする必要はない、ということで一つ。
16.11.05 18:53 コメント(0)